チャートを読むうえで、まず身につけておきたいのが「ローソク足の形の読み方」です。
相場の中でたった1本のローソク足が、買いと売りの力関係や、反転・継続の兆しを教えてくれることがあります。
この記事では、ローソク足を「1本」だけで判断できる代表的な形を11種類、図解つきで徹底解説していきます。
チャートを読むのが初めてという方でも、売買タイミングの判断材料として活かせる内容になっています。
そもそもローソク足とは?
ローソク足は、以下の4つの価格情報をもとに構成されます。
- 始値(はじめね):その時間の最初の値段
- 終値(おわりね):その時間の最後の値段
- 高値(たかね):その時間で最も高い価格
- 安値(やすね):その時間で最も低い価格
これらが図のような形で表されます。

✅ 図1:ローソク足の基本構造(陽線・陰線)
- 始値より終値が高いと「陽線(赤)」=買いが優勢
- 始値より終値が低いと「陰線(青)」=売りが優勢
実体部分の上下にある細い線は「ヒゲ」と呼ばれ、高値や安値の情報を示しています。
ヒゲが長いほど、その時間内で価格が大きく動いたことを意味します。
1本で判断する基本パターン11選
以下では、1本のローソク足だけで読み取れる重要な形と意味を紹介します。実戦ではこれらの形が出現した位置(高値圏・安値圏)を意識することがポイントです。
1. 大陽線

✅ 図2:大陽線
- 実体が長く、上下にヒゲが短い
- 強い買い圧力があり、相場が勢いよく上昇している状態
使い方:
- 安値圏で出れば「反転上昇」のサイン
- 上昇トレンド中に出れば、加速の兆し
2. 大陰線

✅ 図3:大陰線
- 実体が長く、ヒゲが短い
- 強い売りが入り、価格が大きく下がった状態
使い方:
- 高値圏で出ると「反落」警戒
- 下降トレンド中なら継続の勢いを示す
3. 小陽線

✅ 図4:小陽線
- 実体が短く、ヒゲがある
- 売り買いの拮抗を示す。方向感に欠ける
使い方:
- トレンド転換の前兆になることも
- 一時的な迷い場面に多く出る
4. 小陰線

✅ 図5:小陰線
- 小陽線と同様、実体は小さいが陰線
- 小幅な下落、方向感のなさを示す
5. 陽の丸坊主(ヒゲなし陽線)

✅ 図6:陽の丸坊主
- 始値から一度も下がらずに終値まで上昇
- 極めて強い買いの勢い
使い方:
- 下落からの反発、または強気相場の継続シグナル
- 他の足と組み合わせると信頼度アップ
6. 陰の丸坊主(ヒゲなし陰線)

✅ 図7:陰の丸坊主
- 始値から一度も上昇せず終値まで下落
- 強い売り圧力。逃げ売りや失望売りの場面
7. 上影陽線/上影陰線


✅ 図8:長い上ヒゲのローソク足
- 高値まで上がったが、売りに押されて終わった
- 上昇が止まりかけている兆し
使い方:
- 高値圏で出れば「天井」の警戒信号
- 出現後の陰線で下落判断を補強
8. 下影陽線/下影陰線


✅ 図9:長い下ヒゲのローソク足
- 一度は売られたが、下値で強い買いが入った
- 下落からの反転兆候
使い方:
- 安値圏で出ると底打ちサインの可能性
- 出現後の陽線で信頼度上昇
9. カラカサ


✅ 図10:カラカサ(長い下ヒゲ)
- 実体が小さく、下ヒゲが長いローソク足
- 高値圏や安値圏での「転換サイン」として知られる
- トンカチと似ているが、陽線・陰線どちらでも出現する
使い方:
- 安値圏で出現 → 下落からの反転上昇を示唆
- 高値圏で出現 → 上昇の勢いが弱まり、下落の前触れになることも
- 他の足と組み合わせると、精度がより高まる
10. トンボ(十字線+下ヒゲ)

✅ 図11:トンボ型十字線
- 実体がない十字線+長い下ヒゲ
- 相場の反転を示す特殊なパターン
使い方:
- 安値圏での反発合図。出現後の陽線確認がポイント
11. トウバ(十字線+上ヒゲ)

✅ 図12:トウバ型十字線
- 実体なし+長い上ヒゲ
- 高値圏で出ると反転下落の合図
使い方:
- 上昇トレンドの終焉を暗示することも
- 次の陰線で下落を判断
判断時のポイント
- 出現位置が最重要(高値圏/安値圏か)
- 実体の大きさ=エネルギーの強さ
- ヒゲの長さ=反発の圧力
- 他の足やテクニカル指標とあわせて見ることで精度アップ
- 1本で完結する形でも、常に文脈(前後の足)とトレンドに注意
まとめ
- ローソク足1本でも相場心理を読み取ることができる
- 今回紹介した11種類を覚えると、チャートの見え方が大きく変わる
- 「形」だけでなく「出現場所」や「流れ」の中で判断するのがコツ
- 実戦では、これらの形が「どの局面で現れたか」に注目しよう
判断時のポイント
- 出現位置が最重要(高値圏/安値圏か)
- 実体の大きさ=エネルギーの強さ
- ヒゲの長さ=反発の圧力
- 他の足やテクニカル指標とあわせて見ることで精度アップ
- 1本で完結する形でも、常に文脈(前後の足)とトレンドに注意
まとめ
- ローソク足1本でも相場心理を読み取ることができる
- 今回紹介した12種類を覚えると、チャートの見え方が大きく変わる
- 「形」だけでなく「出現場所」や「流れ」の中で判断するのがコツ
- 実戦では、これらの形が「どの局面で現れたか」に注目しよう